2012年、我国の医薬対外貿易は長年にわたって形成した良好な基本状態を保ち、成長の速度が全国対外貿易の平均水準を上回ったものの、成長幅が明らかに小さくなった。2013年、我国の国際貿易の環境は2012年と比べてよくなる見込みで、医薬品輸出入は増加率が約12%に達する予定となっており、基本状態も依然として良好である。全体を見れば、主に以下のような成り行きである。
1、海外における監督管理の環境がより厳しくなる。欧米で医薬品監督管理制度がより厳しくなり、貿易に対する保護がより強くなることは我国の医薬品輸出に直接に影響を与える。アメリカ食品医薬品局(FDA)がDMF関係の申請に対して料金徴収制度を実施することも我国の医薬企業の負担を重くすると予測される。また、ペルーなどの国々が自国でのGMP認証を実施し始めるため、新興市場と見なされているこれらの国への輸出も難しくなる。
2、伝統的な原薬の大量輸出は引き続き試練を受けることになる。その輸出量と輸出価格の低下は続く見込みである。
3、西洋薬製剤の輸出は大きく前進する見込み。近年、中国医薬企業の新薬開発能力が日増しに高まり、それに加わえて、多国籍企業が中国進出のプロセスで医薬業界における人材輸出と技術力向上を求めたため、中国企業の国際化と最先端化を加速させた。2013年、中国の西洋薬製剤輸出は顕著に拡大する予定だ。
4、中小型医療機器・設備の輸出は穏やかに増加する見込み。我国はすでにグローバルな中小型医療機器の供給地になり、欧米諸国や日本などの先進国による先端医療機器輸出とは相互補完の関係にある。
5、漢方製剤の対外貿易赤字状態は続く。伝統的植物薬に関するEU指令( 2004/24/EC)から直接的な影響を受けたため、漢方製剤のEUへの輸出はすでに痛手を被ったが、これからも赤字状態が続くと予測される。
6、製剤と先端医療設備の輸入は引き続き拡大するようになる。我国政府による医療システムへの資金投入の増加、県レベルの医療システムのレベルアップと改造及び国内における医療消費水準の連続向上に伴い、将来、我国では、輸入した先端西洋薬製剤と医療設備への需要は拡大し、その輸入規模も大きくなる。
7、サービス貿易は高度成長期に入る。医薬品開発業務受託機関(CRO)は北京、上海など中国大都市のハイテク産業団地のスポットライトの一つにもなっている。
8、企業国際化のペースも著しく速くなる。近年、我国の企業は国際的な先端品質認証の合格、先発医薬品の開発、医薬品開発業務受託の面で大きな成果をあげてきた。国内企業は独創力、研究・開発の実力が日増しに向上するにつれて、その海外進出モデルもしだいに変化している。国内の成熟した医薬企業は、簡単な製品輸出だけではもう満足できず、外国の会社を買収したり、海外で工場を設立したり、グリーンフィールド投資を行ったりして真新しい姿で国際競争に参加し、国際医薬市場シェアを争うようになる。
2012年度中国医薬保健品類輸出入関係商品別統計表
(単位:億ドル、%)
(出所:中国医薬保健品輸出入商会サイト2013-07-31)