2012年8月17日に開催された2012年中国衛生フォーラムでは、衛生部弁公庁主任侯岩は、「中国医療衛生事業発展状況」をテーマとした報告を発表して、10年以来の中国医療衛生事業の発展状況を紹介した。
一、基本衛生状況
(一)、住民の健康状況は絶え間なく改善されている。一人当たり所期の寿命は2000年の71.4歳から2010年の74.8歳までに引き上げられた。妊産婦の死亡率は2002年の51.3/10万から2011年の26.1/10万に下降した。新生児の死亡率は2002年の29.2‰から2011年の12.1‰に下降し、5歳以下の児童の死亡率は2002年の34.9‰から2011年の15.6‰下降して、国連千年開発目標の実現はスムーズに進んでいる。
(二)、衛生資源は持続的に増えている。2011年の末、全国の医療衛生機構は95.4万に達した。その内、病院は2.2万軒、末端医療衛生機構は91.8万軒あった。千人当たりの医療衛生機構のベッド数は3.81床、免許(補佐)医師は1.82人、登録看護士は1.66人、一万人当たりの専門公共衛生機構従業員は4.73人であった。
(三)、医療衛生サービスの利用は明らかに増加している。全国医療機構で治療を受ける人数は2002年の延べ21.45億人から2011年の延べ62.7億人に上昇し、入院人数は2002年の5,991万人から2011年の1.5億人に上昇した。2011年、中国住民は平均に4.6回の外来を受け、百あたりの住民のうち11.3人の入院者があり、ベッドの使用率は88.5%、平均の入院日数は10.3日であった。2011年、15分間以内に医療機構に行ける世帯の割合は83.3%で、その内、農村地区では80.8%に達した。
(四)、都会と農村及び地域間の衛生発展における格差は次第に縮小している。2003年、中国都会・農村部住民の基本医療保障のカバー率はそれぞれ55%と21%で、2011年にそれぞれ89%と97%までに増加したので、重要な変化が起こった。都会・農村部の住民健康指標における格差は次第に縮小し、妊産婦死亡率における都会と農村との比率は2005年の1:2.15から2010年の1:1.01に縮小した。新生児死亡率における都会と農村との差は7.2千分率から5.9千分率に下降した。農村部の入院出産率における西部と東部地域との差は2003年の34パーセンテージから2010年の2パーセンテージに下降した。
(五)、衛生総費用では構造的変化が起こっている。2002年、中国衛生総費用の中、個人的衛生支出の割合が57.7%という高い程度に達し、政府予算衛生支出と社会衛生支出はそれぞれ15.7%と26.6%を占めた。2011年、個人的衛生支出の割合は34.9%に下降し、政府予算と社会衛生支出の割合はそれぞれ30.4%と34.7%に上昇した。政府衛生支出は2008年の3,593.94億元から2011年の7,378.95億元に増加し、年平均の成長率が21.68%で、同期の衛生総費用と財政支出の年平均成長率より明らかに速かった。
二、医薬品衛生体制改革
2009年3月、中国は「医薬品衛生体制改革の深化に関する意見」及び最近の重点的実施案を公布して、基本保障、末端強化、体制構築という基本原則に則って、全面的に医療改革深化の業務をスタートさせた。3年間にわたった努力により、一応に中国の特色に富んだ基本医療衛生制度の枠組みを構築した。
(一)、基本医療保障制度がほぼ構築され、「医療サービスを受けられる」に向けて肝心な一歩を踏み出した。2011年までに、職員医療保険、都市部住民医療保険、新型農村合作医療制度」に加入する人数は13億を超え、カバー率が95%以上に達した。新型農村合作制度は2002年に構築しあげ、2011年まで、加入者は8.32億人に達し、加入率は97.5%で、一人当たりの資金調達標準は2003年の30元から2011年の246元までに引き上げられ、受益者の人数は2004年の延べ0.76億人から2011年の延べ13.15億人に増加し、政策範囲内入院費用の清算割合は70%以上に達し、補償の上限は8万元に達した。
(二)、国家基本医薬品制度は一応構築し、末端医療衛生機構運営新たなメカニズムは徐々に形成されている。2011年までに、基本医薬品のゼロ価額差による販売はすべての公立末端医療衛生機構をカバーするようになり、国家基本医薬品制度はゼロから発足して、また秩序的に村の衛生室、非公立の末端医療衛生機構と公立病院へと延伸するようになっている。
(三)、末端医療衛生サービスシステムは有効に地固めされており、「末端強化」という医療改革の目標は一応に実現した。2009年から、中央財政は470億元以上の資金を捻出して、3.6万軒近くの末端医療衛生機構の業務用建築物づくりを用いた。
(四)、公共衛生サービス項目を実施し、都会・農村部住民の公共衛生サービス均等化レベルは著しく向上している。国は無料で国民全員に10種類41項の基本公共衛生サービスを提供し、経費の基準が2009年の一人当たりの15元から2011年の25元までに引き上げられ、受益者の範囲が絶え間なく拡大している。
(五)、秩序的に公立病院改革の試行を推進し、有益な経験を積み重ねている。2010年から、17の試行都市と37の省レベルの試行地域で公立病院改革の試行を行って、サービスシステムを整備し、体制メカニズムを革新し、内部管理を強化するなどの面において積極的な模索を行なった。
三、重大な疾病に対する予防
一つは住民の健康をひどく脅かす重点的伝染病、地方病は有効にコントロールできること。二つは衛生応急能力は全面的に向上されていること。三つは慢性病に対する予防・治療業務は徐々に強化されていること。
四、その他の衛生業務
(一)、愛国衛生キャンペーンは更に深くまで展開している。
(二)、食品医薬品に対する監督管理の能力は強化されている。食品安全国家基準について、124の基準が審査を通過され、21の基準が公布され、96の基準項を制定した。食品安全リスクに対する評価を強化し、全国244の地市をカバーする食品安全リスクモニタリングシステムを構築した。二年間にわたる食品、医薬品安全に対する整頓業務を展開し、妥当に問題がある粉ミルク、台湾の可塑剤DEHP事件などの事件を処分し、食品に非食用物質を不法に添加する行為を取り締りし、64種の非食用物質と22種の濫用しやすい添加物のリストを発布した。「国家医薬品安全規範」を制定し、2010年に新たに改訂された医薬品生産品質管理規範を公布した。医薬品電子監督管理制度の構築を推進し、医薬品品質にかかわるトレーサビリティと応急管理システムを構築し、健全化させた。
(三)、漢方医薬の業務に重要視し、発展させた。漢方医薬事業の発展を徹底化させ、促進する政策措置は、各級と各種の漢方薬医療機構のキャパシティ建設を強化させた。
(四)、科学技術と人材チームの育成は更に強化されている。「医学科学技術発展“第十二期五ヵ年”計画」を制定し、「エイズとウィルス性肝炎などの重大な伝染病に対する防止と治療」と「重大な新薬創製」という二つの科学技術重大特定プロジェクトを実施し、末端衛生人材、医学傑出人材、非常に不足している専門人材、漢方薬人材と医師規範化教育などの人材プログラムを発足させた。
(五)、衛生分野における国際提携は絶え間なく深化されている。長年以来、中国は積極的に世界の衛生事業に参与し、衛生分野における政府間、民間の多国間及び両国間の提携と交流を幅広く展開し、積極的に国際社会、国際組織に呼びかけられた重大な衛生行動に参加している。
将来に、中国政府は引き続き衛生改革を深くまで推進し、全面的に医療衛生事業を発展させ、国民全員が基本医療衛生サービスを受けられるという目標の実現に取り組むことで、よりよく国民全員の健康を維持し、保障し、増強して、中国の特色に富んだ医療衛生発展の道を切り開いていく。
(出所:衛生部ウェブサイト 2012年08月17日)