国家食品医薬品監督管理総局は、ジェネリック医薬品品質と治療効果一致性評価を規範化させるために、「ジェネリック医薬品品質と治療効果一致性評価における臨床有効性試験に関する一般考慮事項」を制定し、2017年2月7日に発表した。
ジェネリック医薬品品質と治療効果一致性評価における臨床有効性試験に関する一般考慮事項
適用範囲 国家食品医薬品監督管理総局は、「国務院による医薬品と医療機器審査承認制度改革の意見」(国発〔2015〕44号)、「国務院弁公庁によるジェネリック医薬品品質と治療効果一致性評価の意見」(国弁発〔2016〕8号)を徹底的に実施するために、「『国務院弁公庁によるジェネリック医薬品品質と治療効果一致性評価の意見』実施関係事項の公告」(2016年第106号)を発表した。公告では、ジェネリック医薬品品質と治療効果一致性評価は合理的な方法で行い、原則として生物学的同等性試験を利用して一致性評価を実施すると要求された。また、比較製剤を見つけず、もしくは確定できない場合には、医薬品メーカーが臨床有効性試験を行うことになるという。
国家食品医薬品監督管理総局はすでに「薬物動態学的バロメーターを最終的評価指標とするジェネリック医薬品関係人体生物学的同等性研究の技術指導原則」などの指導原則を発表した。本文書は上述指導原則の補足文書として、主に「比較製剤を見つけず、もしくは確定できなく、臨床有効性試験を行う必要があるジェネリック医薬品」に適用する。
一般原則ジェネリック医薬品の臨床有効性試験を行う際に、まずは当該医薬品の臨床的価値を考え、評価し、その背景と根拠に基づく医療という診療理念で得た証拠などで臨床有効性に関する最初の判断を行う。ジェネリック医薬品品質と治療効果一致性評価のための臨床有効性試験は医薬品臨床試験の一般的法則に従うと同時に、当該ジェネリック医薬品の基本情報(例えば、国内外における臨床研究と応用の情報)と根拠に基づく医療という診療理念で得た証拠に基づいて試験目的を決定し、その後の臨床試験プロトコールを制定して実施すべきである。
本文書のほか、「医薬品臨床試験に関する生物統計学的指導原則」などの関係指導原則と文書も参考としなければならない。
具体的要求事項臨床有効性に関する最初の判断ジェネリック医薬品の臨床有効性試験を行う際に、現在の治療における当該医薬品の臨床的価値を評価し、その背景と根拠に基づく医療という診療理念で得た証拠などで臨床有効性に関する最初の判断を行う。考慮事項は(1)当該医薬品の臨床治療効果、(2)その他医薬品と治療効果を比較した結果、(3)使用中のその他医薬品の治療効果に影響を与える要素があるかどうか(例えば、耐性、依拠性または患者の傾向性。)である。
上記の事項を考える際に、適切な対照方法で行った臨床試験でデータを収集したかどうかに注意し、科学性を持つ結論を出さなければならない。
2、対照薬
対照薬は通常、プラセボと陽性対照薬に分けられる。治療効果を明確にするために、プラセボ対照で優越性臨床試験を行うよう推奨する。但し、細胞毒性医薬品など、プラセボ対照という方法を採用できない場合、陽性対照薬を使用して非劣性試験を行うことが可能である。陽性対照薬は適応症が同様で、確かな臨床治療効果を持つ医薬品でなければならない。また、試験用医薬品と同様な作用機序を持つ医薬品なら、最良である。慎重に陽性対照薬を選択し、以下の原則に基づいて陽性対照を行わなければならない。
(1)公認的、十分な臨床データでサポートすること。
(2)治療効果が再現可能であること。
3、比較類型
ジェネリック医薬品一致性評価のための臨床有効性試験は比較の方法によって、優越性試験と非劣性試験に分けられる。優越性試験の目的は試験薬の治療効果は対照薬より優れていると証明することにある(プラセボ、陽性対照薬との対照で証明する)。非劣性試験の目的は試験薬の治療効果は陽性対照薬と比べて劣っていないと証明することにある。
4、最終指標
ジェネリック医薬品の特徴に基づき、具体的な薬物状況に合わせ、適切な最終指標を選定する。ジェネリック医薬品一致性評価のための臨床有効性試験は、目的が有効性を評価することにあり、一般的に受けられる臨床最終指標も、価値を持つ代替エンドポイントまたはバイオマーカーも選択できる。試験中は科学的に、正確に、鋭敏に、能率的にという原則に準じ、試験の目的を果たす必要がある。
「医薬品臨床試験に関する生物統計学的指導原則」における医薬品臨床試験最終指標の記述を参照し、適切な最終指標を選定できる。
5、サンプル量試算
通常、ジェネリック医薬品一致性評価のための臨床有効性試験を行う際に、サンプル量試算は有効性に基づいて考えなければならない。サンプル量試算は研究対象である疾病、研究デザインとエンドポイントなどに影響される。サンプル量はグループ分け方と対照グループの治療効果に関する予測および異変度、統計分析法、偽陽性率、把握度、失敗率などのバロメーターによって試算する。
具体的な試算方法については、「医薬品臨床試験に関する生物統計学的指導原則」を参照するように。
四、参考文献
1、CFDA医薬品臨床試験に関する生物統計学的指導原則(2016)
2、CFDA薬物動態学的バロメーターを最終的評価指標とするジェネリック医薬品関係人体生物学的同等性研究の技術指導原則(2016)
3、秦伯益編、新薬評価概論、人民衛生出版社、第二版(1998)
4、魏樹礼編、生物薬剤学と薬物動態学、北京医科大学出版社、第一版(2001)
5、趙香蘭編、臨床薬物動態学基礎と応用、鄭州大学出版社、第一版(2003)
(出所:CFDAサイト2017-02-07)