医薬品監督管理局は新版「ワクチン管理法」と改正版「医薬品管理法」を徹底的に実施し、生物由来製品関連審査と承認に対する監督管理を強化するために、「生物由来製品関連審査と承認管理規則」(以下、「規則」と略称)を起草、改正した。2020年11月19日、国家市場監督管理総局2020年第11回局務会議では、「規則」が審議をへて可決され、2021年3月1日から実施すると決定された。
ワクチンは国民健康、公衆衛生と国家安全に関係するものである。習近平総書記は中国のワクチン管理体制を整備し、安全の最低ラインを断固として守るよう要請した。「規則」を改正する過程において、市場監督管理総局、医薬品監督管理局は党中央、国務院によるワクチン類医薬品の安全性に関する「4つの最厳格」要求事項を徹底的に実施し、「ワクチン管理法」と「医薬品管理法」が規定した原則と制度を細分化し、問題意識を高め、海外における審査と承認管理に関する先進的な経験を参考とし、生物由来製品関連審査と承認実施機関の選定、審査実施申請と承認などの管理措置をより整備し、生物由来製品の品質と供給を確保した。同時に、審査承認の管理を厳格化し、リスク防止とコントロールを強化し、医薬品上市許可保有者の主体的責任遂行をより促進し、生物由来製品関連審査と承認の監督と管理を強化した。「規則」は8章48条によって構成され、改正した内容は主に以下のとおりである。
第一に、審査承認に関する職務分業と審査承認実施機関などの職責を明確に規定し、品質関連リスクの高い製品に関する検査と処罰手順を改善する。省レベル医薬品監督管理機関が所管地域内の審査と承認実施機関に対する日常的管理を行い、企業の生産プロセスで発生し、製品の品質に影響を及ぼす可能性がある重大な偏差について調査を行うと追加で規定する。審査と承認関連オンサイト検査と対処の要件を細分化し、医薬品監督管理機関が監督検査で生物由来製品に重大な品質関連リスクが存在すると発覚した場合、検査結果によって、審査と承認実施機関に医薬品上市許可保有者の関連製品に対して審査と承認を行わず、または中止し、改善を命じるよう要請すると明確に規定する。
第二に、審査と承認管理の要件を規範化し、審査と承認免除可能な状況、検査項目と頻度に関する要件を明確化し、生産技術と手順に関する偏差是正を強化する。「ワクチン管理法」に基づき、伝染病の予防とコントロールまたは突発事件の対応で緊急に必要とされるワクチンに関しては、国家医薬品監督管理局の許可を得た上で、審査と承認を免除すると明確に規定する。ワクチン類製品とその他の生物由来製品の審査と承認方式、検査項目と頻度について詳しく規定し、ワクチンの審査と承認がロットごとに資料審査とサンプリング検査を行わなければならないと求める。審査と承認申請時に生産技術と手順の偏差などに関する資料を提出し、審査と承認実施機関が関連資料を審査し、オンサイト検査などを行うと規定する。
第三に、上市許可保有者が確実に主体的責任を遂行するよう促し、全ライフサイクル管理を強化するよう求める。医薬品上市許可保有者が生産品質管理システムを整備し、偏差是正に持続的に注力しなければならないと追加で規定する。審査と承認実施対象となる製品は承認された生産プロセスに基づいて生産され、国家医薬品基準と医薬品登録基準に適合しなければならない。生産の全過程は医薬品生産品質管理規則に適合しなければならない。品質問題またはその他の安全上の潜在的な危険性がある製品については、保有者は販売と使用停止、欠陥品のリコールなどの措置を取らなければならないと明確に規定する。同時に、関連法律によって審査と承認過程における法律、規定違反行為の対処措置を明確に規定し、最も厳しい監督管理と処罰を実行する。
次の段階では、国家医薬品監督管理局は関連文書の制定を急ぎ、各規定が確実に実施されるよう確保し、ワクチンなどの生物由来製品の安全性、有効性を確保する。
関連リンク:1.生物由来製品関連審査と承認管理規則
2.「生物由来製品関連審査と承認管理規則」に関する説明と解釈
(出所:国家医薬品監督管理局サイト2020-12-21)