1月13日~14日、全国食品医薬品監督管理業務会議が開催された。会議では、今年の業務は現行体制に適応する監督管理業務に関する新たなメカニズム構築とその加速化に重点を置き、より大きな決意とより力強い措置で監督管理メカニズム制度の革新を推進し、着実に監督管理の責任を担い、効率向上と合力増強の面において確かな成果をあげるべきだと指摘した。衛生部長陳竺氏は会議に出席し、重要な発言を行い、そして、国家食品医薬品監督管理局長の邵明立氏は業務報告書を発表した。国家食品医薬品監督管理局副局長の呉湞氏、李継平氏、辺振甲氏はそれぞれの担当業務を配置した。
医薬品品質に対する監督管理を強化し、医薬品品質の限度基準を下回ることを絶対に許さない
国家食品医薬品監督管理局副局長の呉湞氏は業務会議で、医薬品品質に対する監督管理を強化すべき、医薬品品質の限度基準を下回ることを絶対に許さないと指摘した。
この2年間、医薬品製造に要する原料の価額は絶えず値上がりしており、特に漢方薬剤の上昇幅が驚くほど高くなった。これに反して、医薬品価額が値下がりしている。コストが増加しつつあるにもかかわらず、価額が値下がりしつつあるという鋏状価格差の状況の中、一部の医薬品はその販売価格がコストに接近、ひどい場合ではコストより安いことになり、新たな品質リスクが生じることになった。
呉湞氏は次のことを行わなければならないと強調した。各地の食品医薬品監督管理部門はまず監督検査を強化し、重点的に原材料の購入・使用に対する監督管理、出荷検査などのプロセスに対する監督管理を強化し、製造企業の製品品質責任を強化する必要がある。第二に、製品の抜取検査に対するターゲット志向を強化し、すぐに品質を制御でき、安全を強化できる補充的基準を研究して公布すると同時に、医薬品抜取検査及び監督検査と、不良反応モニタリングと、捜査・法律執行との間の有機的な協力を強化し、原料をごまかす、粗悪品を混ぜるなどの違法な行為を厳しく調査して処分すること。第三に、力強く新しい医薬品GMPの実施を推進すること。国家食品医薬品監督管理局は検査方式と判定基準を改善し、動態的な検査、品種別による検査、ソフトウェアによる管理を強調することで、企業に綿密な生産管理システムと完璧な品質保障システムを構築し、プロセス全体にわたる品質意識を強固に樹立するよう督促することで、根本から製品品質保障のレベルを引き上げる。第四に、医薬品GSPの修正を加速させ、技術的要請と参入規制のレベルを引き上げることで、医薬品経営のスケール化、近代化の発展を誘導し、医薬品流通秩序を規範化する。
合法的な行政行為を推進し、今年は食品医薬品監督管理に関する法規、制度を数多く公布する
国家食品医薬品監督管理局副局長の李継平氏は法による行政業務について要求を提出した。李継平氏は、法による行政において公平な正義を堅持し、知行合一(真に知ることは必ず実行を伴うこと)を堅持すべきであると要求した。新しい体制、新しい職能におけるいくつかの法による行政問題に対し、積極的に思想認識を転換し、また法律執行のターゲット志向、弾力性と有効性を強化する必要があり、法による行政において法律執行に対する監督を強化し、行政再度審議に対する審査と錯誤是正の強さを強め、等級監督と内部監督を強化する必要がある。
一連の食品医薬品監督管理に関する法規制度が2011年に公布・実施されるあるいは研究・制定されることになる。業界に一番期待される新しい「医薬品生産品質管理規範」もまもなく公布・実施されることになった。改訂された「医薬品不良反応報告とモニタリング管理規則」もまもなく公布されることになった。「医療器械生産品質管理規範」は今年の1月1日に実施された。
2011年、国家食品医薬品監督管理局は「医薬品研究監督管理規則」を研究、制定する。重点的に臨床研究機構に対する監督を強化し、医薬品臨床に関する研究行為を規範化し、中国の新薬臨床研究レベルの向上を推進することで、更に医薬品のR&Dと革新への奉仕を図る。「医薬品の製造原料記録管理規定」を制定、公布する。生産企業に品質管理の責任を実現するように要求する「医薬品標準管理規則」を研究、制定し、医薬品標準の制定、改訂、公布、実施のプログラムを明確にする。
その他、国家食品医薬品監督管理局は「保健食品監督管理条例」、「医療器械監督管理条例」の制定・改訂を加速させ、上記の二つの条例の関連規則と規範性文書の制定・改訂に関する事前準備を行う予定である。
医薬品安全性特定プロジェクト整頓の「堅塁攻略戦」を行い、医薬品偽ブランド製品を取り締まるに関する告発・苦情受付センターを設ける
国家食品医薬品監督管理局副局長の辺振甲氏は会議では、監督管理業務の法則をまとめ、医薬品安全性特定プロジェクト整頓期間中に得た経験をより科学的、より持続的な効果がある監督管理制度までに昇格させて、有効に市場秩序を規範化すべきであると指摘している。
偽装薬を取り締まる情勢が依然として厳しい状況に対し、辺振甲氏は、全国各級の食品医薬品監督管理部門は健全なる業務メカニズムを構築し、力を集めて重点的に影響範囲が広く影響力が大きな公衆の反響や偽造品・粗悪な保健食品、化粧品、医薬品、医療器械などの重大事件を調査して処分する必要があると指摘した。
今年、食品医薬品監督管理組織は医薬品偽ブランド品の取締りに関する告発・苦情受付センターを設け、告発・苦情受付専用電話を統一化し、集中的に事件を受理・処分し、取り調べる事件を監督、指導する。同時に各部門間での連携を強化し、偽造薬に対する威圧的な態勢を保持する。
地域間での偽造薬取締りの協力について、現在、華北五省(区、市)医薬品監督捜査法律執行共同防衛協力区、珠江デルタ六市区域捜査連合偽造薬取締りなどの多種の協力メカニズムを形成しており、「源を遡り、偽造薬を調べて制御し、共同に調査して処分し、法に基づいて処罰する」という監督管理局面の形成に取り組んでいる。
(出所:中国医薬報 2011年01月17日)